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岩石鉱物科学 GKK
Sendai Japan, ISSN=1345-630X
イメージスキャナーによる装飾石材、準装飾石材の全岩及び鉱物表面反射色の定量測定法

Quantitative analysis of rock and mineral surface color for ornamental and semi-ornamental rocks using image scanner

元木昭寿 (1), Thais Vargas (1), José Luiz Peixoto Neves (1), Lóris Lodir Zucco (2)

(1) リオデジャネイロ州立大学岩石鉱物学科, Departamento de Mineralogia e Petrologia Ignea, Universidade do Estado do Rio de Janeiro (DMPI/FGEL/CTC/UERJ), Rua Sao Francisco Xavier 524, Sala A4023, Maracana, Rio de Janeiro.
(2) リオデジャネイロ国立田園大学付属農業高校, Colegio Tecnico da Universidade Federal Rual do Rio de Janeiro (CTUR/UFRRJ).
岩石鉱物科学, 32-1, 12-22.


Abstract

     This paper describes a method of quantitative reflection color analysis for minerals and whole rock using an image scanner and a general use personal computer. The scanner obtains true color (24 bits) digital images of polished rock surfaces. The software, Wilber, that has been developed for the present project, analyzes the color bitmap information of the area indicated manually by the operator and calculates mean value and standard deviation of RGB, HSB, XYZ, and x-y parameters.

     Mineral and whole rock colors are generally weak (low saturation) and highly heterogeneous (high hue dispersion) in comparison with artificial objects, animals, and plants. This makes rock color measurement technically difficult, especially in the case of coarse-grained plutonic and metamorphic rocks. To solve the problem, hundreds of trial-and-error experiments have been performed, arriving at the following recommendations.

     The best optical resolution of the scanner for mineral color and whole rock color analyses is, respectively, 150 dpi (dot per inch) and 75 dpi. The x-y chromaticity diagram, H-S circular diagram, H parameter, and S parameter are convenient to express the measured mineral colors. The RGB color system is not recommended for this use because of strong random reflection effects.

     By means of S parameter (saturation) of whole rock color, ornamental and semi-ornamental rocks are classified into high-color (S>10.0), middle-color (8.0<S<10.0), low-color (6.0<S<8.0), slight-color (4.0<S<6.0), and grayscale (S>4.0) groups. B parameter (brightness) is efficient for quantitative color evaluation of the grayscale rocks. Using this parameter, they can be subdivided into black (B<25), dark gray (25<B<55), light gray (55<B<85), and white (B>85) groups. The standard deviation of B parameter may represent color hardness for gray granitic rocks. For evaluation of the high-, middle-, and low-color rocks, the H parameter (hue) is recommended.

     They can be classifeid into red (0<H<20), orange (20<H<40), and yellow groups (40<H<60). Sodalite syenite and charnockite are classified to be grayscale rocks due to their low color saturation. However, it is recommended that they are exceptionally evaluated by S parameter, or color intensity, because the market price is highly related to their color.

I. 序文

ブラジルの伝統的な装飾石材は大理石あり, 南東部のMinas Gerais州やEspirito Santo州では良質の大理石が産出されている. 花崗岩石材の生産消費も近年になって急速に成長してきた. ブラジル石材業界では, 広義の花崗岩, ガブロ, 閃長岩, 正片麻岩, グラニュライトなど, 切断にダイヤモンドカッターが必要な珪酸塩岩を「花崗岩」(granito)と呼ぶ. 一方, 結晶質石灰岩, 非変成石灰岩など, ダイヤモンドカッターが必要でない炭酸塩岩を「大理石」(marmore)と呼ぶ. 「花崗岩」は「大理石」と比べ,切り出しや加工が困難で高価であるが, 研磨効果がよく光沢が長持ちするので高級石材として重用されている.

花崗岩」と「大理石」は通常研磨されて建造物の外装や床に使用されるので, ブラジルでは装飾石材(rochas ornamentais)と呼ばれている. 他方, 板状に割れる性質があり非研磨で使用される粘板岩, ミロナイト, 超高度溶結凝灰岩は準装飾石材(rochas semi-ornamentais)と呼ばれている(Vargas, et al, 2001; Fig. 1). 超高度溶結凝灰岩はブラジル南部に分布する白亜紀初期のパンゲア分裂時に噴出した特異な流紋岩質火砕流堆積物である. 岩石学者にとって違和感のある商品名ではあるが, 業界ではbasalto (玄武岩の意)で通称されている.

今日, 装飾石材は連邦政府鉱山局(DNPM)により地下資源と認定された(Azambuja and Silva, 1977; Schobbenhaus, et al, 1991). 中でも, 赤, 黄, 緑, 青, 黒などの「有色花崗岩」は経済的価値が高い. 連邦政府に続き, Sao Paulo, Bahia, Goiasなどの各州自治体もカタログを作り, 装飾石材の生産販売振興に努力している(Caruso, 1990; Azevedo and Costa, 1994; Barbosa, 1995).

ブラジルに産する「有色花崗岩」では "Granito Vermelho Itu" (アルカリ花崗岩, 濃赤色); "Granito Vermelho Capao Bonito" (花崗岩, 褐赤色); "Granito Vermelho Braganca" (花崗岩, 赤色); "Granito Marrom Caldas" (アルカリ閃長岩, 褐色); "Granito Azul Bahia" (ソーダライト閃長岩, 青色); "Granito Verde Ubatuba" (チャーノッカイト, 暗緑色); "Granito Preto Tijuca" (石英閃緑岩, 黒色)などが有名である. とりわけ, "Granito Preto Tijuca"と"Granito Azul Bahia"は大変高価で, 採石場で切り出された非加工岩石ブロックの1m3あたりの価格がそれぞれ, US$1,000, US$2700にのぼる場合があった. 近年, 環境保護法により採掘禁止が出たり, 鉱床自体が枯渇したりして, Sao PauloやRio de Janeiro州の多くの有名銘柄の採石場が閉山となり, それを補うためEspirito Santo州やBahia州で新採石場が急速に開発されつつある.

装飾石材の生産が増大する半面, 輸出が今一つ不本意な状況に陥っている. 切断寸法のバラツキや研磨面の凹凸など加工上の問題も深刻であるが, 有色石材の色の品質管理が不徹底で, 同一梱包内の石板の色でさえ不均一になっている(Fig. 1D). それ以前に装飾石材の色調を定量的に測定, 表現する方法がなかった.

筆者らは, パソコン用カラー・イメージスキャナー(以下スキャナー)を用いて鉱物および全岩の色調定量測定法を開発した. 装飾石材やその造岩鉱物は, 塗装面などの人工物や動植物の体色と比べて色彩が微弱であるため, 定量測定自体が困難である. また, テクスチャーが複雑で色彩が不均一なため, 測定法や表示法に工夫が必要である. 本論はスキャナーによる色調測定の原理と方法を紹介し, 数百回の試行錯誤実験から得られた岩石鉱物用の適切な色調測定法および表示法を論議する.

Fig. 1. Examples of Brazilian ornamental rocks and semi-ornamental ones, and their explotation and application. (A) “Granito Marrom Caldas”, brown syenite; (B) “Basalt”, quarry of rhyolitic ultra-high grade welded tuff; (C) “Granito Preto Tijuca”, black quartz diorite; (D) “Granito Vermelho Capao Bonito”, red alkali feldspar granite; (E) “Basalt”, ultra-high grade welded tuff. Above-mentioned “Basalt” is commercial name, in fact, rhyoritic welded tuff.

II. 色調測定機器 とソフトウェア

物体からの反射光は独自の光学スペクトルを持ち, 人間の目はその一部要素を感じる. 従って, 色覚は部分的光学情報であり, 個人差がある上に認識時間や物体の大きさなど複数要素に依存する. 経験則による色覚理論では, 十九世紀末にHelmholzが定量化した三原色説が有名で, すべての色は赤緑青の三原色, 所謂RGB(red, green, blue)光源の混合で再現できるとし, カラーテレビなどで色彩再生の基礎理論に採用されている. 使用されたスキャナーも三原色説に基づき, R, G, B各チャンネルをそれぞれ256段階の数値で代表し, 最大1700万色で画像をデジタル捕獲する.

国際照明委員会(Comission Internacionale de L'Eclariage, CIE)は1931年及び1964年に基本色彩規格を勧告し, これに準拠した技術が業界で広く応用されている. 物体の反射色の定量測定技術はペイント工業界でいち早く実用化された. 測定機である分光反射計は大変高価であったが, 1990年代末には1980年代の十分の一, 即ちUS$1,000位まで安価になった. この装置は光源とセンサーを内蔵し, 1cm2弱表面積の反射光の平均色調を定量測定し,測定値はCIE1931規格に基づくXYZ表色系(XYZ color system)を基礎に表示される.

中嶋らは分光反射計を用いて岩石表面の反射色の測定を行い, チャートの研究, 岩石風化の簡易測定, 粘土鉱物の同定などで成果をあげた(Nagano and Nakashima, 1989; 1991; 1992) . とりわけ, 風化度の測定は地質コンサルタント業界で標準採用されている. この装置は色彩のほぼ全範囲を測定でき, 小型軽量で野外調査に便利である. 半面, 工業用の特殊装置であるため筆者らが居住する南米諸国では市場が大変小さく, 価格的にも入手不能である. また, 測定領域が固定されており, 微小な鉱物の測定や大面積の平均値を取るには不便である. しかし, 泥岩やチャートなどのテクスチャーが均一な岩石には有効である.

筆者らは, かつて汎用スキャナーと事務用電算機とGIS系(geographic information system)ソフトを組み合わせ, 石材のデジタル画像からRGB表色系で反射色の定量測定を試みた. しかし, 岩石表面でおこる乱反射の問題に直面し, RGB系を用いる限り問題回避が困難であることがわかった。そこで市販画像処理ソフトを用いて, 各ピクセルの色度を後に説明するHSB系で手動測定する方法を採用した(MOTOKI, et al, 2000). スキャナーを使用すれば測定範囲が自由に設定でき, 50mmの鉱物粒からA4サイズの角板のまでサンプルの大きさに融通性がある. 半面, 手作業のため手間と時間がかかりすぎ(一週間), 実用性がなかった.

今回, 測定作業を半自動化するソフトWilburの開発に成功し, 実用的な水準(15分)まで測定時間を短縮した. Wilburにはこの機能以外に色調指数変換と統計パラメーター計算のルーティンが組み込まれた. このソフトはQuick Basic Rで書かれ, MSDOS R上で稼動する(Windows 95, 98, 2000 Rでも可, XP Rは不可). 古典的なOSを採用した理由は, 動作の信頼性を重視したためである. 将来はラインコマンドではなくGUIを用い, ソフトをC言語で書き,最も信頼性の高いUnix系のOS上で走らせる希望である. 使用ハードウェアは日本でWindows R機とよばれるPC系汎用機で南米を含む世界各国で入手容易である(Table 1).

汎用イメージスキャナーの出力はRGB系の正の値のみであるので, 表示できない色が存在する. 廉価版スキャナーにはこの限界があるが, 実用的色彩の範囲は十分にカバーしている. スキャナーの蛍光灯光源のサイズ(1cm x 20cm)がピクセル(45mm)と比べて大変大きく, 周辺鉱物の色彩が測定値に影響するが, 全岩色測定では障害にならない. スキャナー法は分光反射計と比べ長所も短所もあるが, この程度の汎用装置一式で実現できる簡便かつ実用的な方法である.

III. 色調測定方法

色調測定実験には石材サンプルとして表面研磨された装飾石材が使用された. 有色系では赤色アルカリ長石花崗岩"Granito Vermelho Itu"(以下Ituと略す), 褐色アルカリ長石閃長岩"Granito Marrom Caldas" (Caldas), 褐色ネフェリン閃長岩, Mesquita (Mesquita), 青色ソーダライト閃長岩"Granito Azul Bahia" (Bahia), 桃色カリ長石花崗岩"Granito Vermelho Braganca" (Brag), 淡桃色カリ長石花崗岩"Granito Bege Campo Grande" (Campo), 淡黄色石灰岩"Marmore Bege Bahia" (Bege), 黄色大理石 "Marmore Aurora Perola" (Aurora), 桃色大理石"Marmore Rosa Cachoeiro" (Cachoeiro)が用いられた. これらは明瞭な色彩の石材としてブラジル国内市場で有名である. 灰色系装飾石材では, 灰色花崗岩"Granito Cinza Andorinha" (Andorinha), "Granito Cinza As de Paus" (As), 黒色石英閃緑岩"Granito Preto Tijuca" (Tijuca), 白色大理石, "Marmore Branco Cintilante" (Cintilante)が使用された. 日本国茨城県産の稲田花崗岩(Inada)も比較のために測定された.

全岩色測定用の試料は, 上記の装飾石材に加え準装飾石材である灰色粘板岩(slate)と流紋岩質の超高度溶結凝灰岩(Prata1~5, Sol, Rastro1, 2)が用いられた. 後者は一般に灰色であるが, 直射日光下でのみ識別できる黄, 緑, 桃色, 青, 紫の微妙な色彩が観察される場合があり, 色モザイクの装飾壁面に使用される. まれには明瞭な黒色(ガラス質)や暗赤色(風化鉄)を示す超高度溶結凝灰岩もある.

装飾石材のデジタル画像の取り込みは, 片面を鏡面研磨した商業用の見本のサンプルを用い, その研磨面をスキャナー上に伏せハンドレンズの解像度に相当する600 dpiでスキャンされた. 外部光線の影響を防ぐために, 測定時にはスキャナーの蓋が閉められた. 正確な色彩情報保持のためハードウェアによる色調補正を行わず, 全ての設定をdefaultにし, 画像ファイルはWindows R仕様のbmp形式で保存された. 圧縮形式であるgifやjpg (jpeg)では色彩情報の一部が失われる. サンプルがスキャナー表面から僅か3mm離れても色彩分解能は15%近く低下するので(Motoki, et. al, 1999), 研磨面はスキャナー面に密着させる必要がある(Fig. 2A). 準装飾石材は全岩色測定に限定し, 肉眼観察の解像度である150 dpiでスキャンされた. 非研磨サンプル(岩石片)でありスキャナーの蓋を閉めることが出来ないので, 測定用の窓をあけた白紙が準備された(Fig. 2B).

Fig. 2. Scanning methods for (A) ornamental rocks and (B) semi-ornamental ones. Scanner’s flat cap is closed during scanning.

分析用ソフトWilburを稼動させるには, 岩石画像ファイル以外に, 次の手順で製作される分析域指定ファイルを製作する必要がある. 1) 市販画像処理ソフト(Adobe Photoshop R等)を立ち上げ, 岩石画像をbackground面にロードする. 2) それを例えば2インチ平方の大きさに切る. 3) その上に同じ大きさの透明なoverlayを重ねる. 4) 岩石画像(background)を見ながら目的とする鉱物領域をoverlay面上に所定の色(例えば青, R=0, G=0, B=255)で塗る. 5) 指定されなかった領域は白色で塗りつぶされoverlayが完成する. 6) Overlayは分析域指定ファイルとしてbmpで保存される. 全岩の色調を測定する場合は, 原則として分析域指定ファイルの全領域を塗りつぶすが, 表面に傷や微小な汚れなどがあった場合はその部分を測定域から削除する.

塗りつぶす領域の指定は測定者の岩石鉱物学的知識により, 色彩だけでなく鉱物の形状, 劈解, 共生関係など, あらゆる知識を総動員して手動でおこなわれる. 岩石表面の傷, よごれ, イリデッセンス, 背景鉱物の影響など, 測定者の判断で不適とされる部分は指定域から排除される. 市販画像処理ソフト付属の類似色塗りつぶしの機能は, 岩石鉱物学とは無縁のアルゴリズム基づいているので, これを用いてはならない.

True color (1700万色, 実は表示できない色調がある)の画像ファイルであるbmpは構造が単純で, 座標が与えられればそのピクセルのRGB指数を読み取ることができる. Wilburは岩石画像ファイルと分析域指定ファイルを比較解読し, 選択された領域たけのRGB色パラメータのデーターファイルを作成し, それを読み取り色調指数の平均値と標準偏差を計算し, ヒストグラムを作る.

XYZ表色系がCIE規格で物理的に定義されているのに対し, RGBの定義は統一されていない. 例えば, Adobe R, Corel R, Microsoft R各社が用いるRGBは同一色調でなく, Photoshopではversionによっても差異がある. とりわけ, 緑色系の明度と青色系の色相には大きな問題がある. 従って, RGBから物理的基準値であるXYZに変換する数式が複数ある. しかもスキャナーの光源やセンサーの感度はモデル毎に微妙な差異がある.

筆者らは光源補正を目的に灰色系(gray scale)の色板をスキャンしてRGBバランスを測定し, それをR=G=Bに線形補正する単純な方法を試みた. このため一次標準用には日本電飾の磁器製標準白色板が, 二次標準には日本色研社の紙製標準色カードN9.5 (white), N7.5 (silver gray), N5.5 (middle gray) N3.5 (dark gray), N1.5 (black) が用いられた. しかし, 問題解決には至らなかった.

これらの問題をマクロ的に解決するには, 標準色板と組み合わせた専用ソフトを用いて, スキャナー毎に色調プロファイルを作成するのが理想である. しかし高価である上に入手が容易でない. もし同一モデルのスキャナーのみによる測定に限定するのであれば, 色調補正をしなくても問題はない.

IV. 造岩鉱物色に最適な表色系とスキャナーの分解能

論議に入る前に, 本文中に現れる色に関する用語を簡単に説明したい. 「色調」および「色彩」は全成分を含めた色全般を指し厳密な区別はないが, 前者は定量的, 後者は定性的なニュアンスがある. 「色相」は光の波長に関連した指数で, HSB表色系のHパラメーター(hue)で代表される. 赤ではH=0, 黄ではH=60, 緑ではH=120, 青緑ではH=180, 青ではH=240, 紫ではH=300となる. 「彩度」はどれくらい灰色が混じっているかを示す指数で、HSB表色系のSパラメーター(saturation)で代表される. 色相が識別できない完全な灰色(grayscale)の場合はS=0, 灰色が混じらない純色の場合はS=100となる. 「明度」は色相と無関係な明るさを表す指数で, HSB表色系のBパラメーター(brightness)などで代表される. 完全な黒の場合B=0, 完全な白ではB=100となる. 「色度」は色を構成する各パラメーターの数値である. 色相と彩度を図上で表現するのに、HS円形色度図やx-y直交色度図が用いられる.

造岩鉱物の研磨面における反射色の色調は一見均一に見えるが, 同一鉱物粒の各ピクセル間に大きな色調差がある(Fig. 3). 塗装面や植物の葉の画像にも色調分散が観察されるが, 鉱物のそれは遥かに大きい. しかし, 高度な鏡面仕上げを施した日本電飾社の標準色板には殆ど見られない.

Fig. 3. Example of nepheline surface color of Mesquita: (A) apparently homogenous brown color in macroscopic view scale; (B) heterogeneous color in pixel scale. The scanning optical resolution is 600 dpi.

鉱物の色調分散を詳細に見れば, RGB各値が高い正の相関(r2が0.8前後)で連動している事が観察される. 言い換えれば色相変動が小さく明度が不均一であるので, 分散の主因は乱反射と推定される. 鉱物内部には, 劈解面, 双晶面, フルイドインクルージョン, メルトインクルージョンなどの不連続面があり, 境界面上で反射やイリデッセンスなど複雑な光学現象が起こる. 色調分散が大きい理由は, 表面乱反射に鉱物内部の散乱が加算されたためかもしれない.

乱反射効果を相殺して問題を回避し, 色相を数値代表させるには, RGB表色系に代わりXYZ表色系を用いる方法がある. X値Y値の相対値であるxを(x=X/(X+Y+Z))横軸とし, yを(y=Y/(X+Y+Z))縦軸とするx-yダイヤグラムは色度図(chromaticity diagram)と呼ばれ, 人間の全色覚を図上に表現できるので, 業界で広く用いられている. スキャナーから得られたRGB値をXYZに数式変換しx-y色度図上の投影すれば, 肉眼感覚に近い色彩表示が可能となる(Fig. 4A).

Fig. 4. Chromaticity diagram of (A) x-y system according to Ohta (1998) and (B) HS circular system according to Motoki et al (2000) for color minerals of Brazilian ornamental rocks: alkali feldspar of “Granito Vermelho Itu” (Itu), “Granito Vermelho Braganca” (Brag), and “Granito Marrom Caldas” (Caldas); nepheline of “Granito Mesquita” (Mesquita); sodalite of “Granito Azul Bahia” (Bahia). The ellipsoids represent 1s standard deviation of color heterogeneity. Dashed closed curve marked on x-y chromaticity diagram shows the limit of the RGB color system.

XYZ系は認識角2°の物体の色覚実験を基礎としたが, 10°の実験ではやや異なる結果が得られたので, CIE1964はX10 Y10 Z10の補助標準表色系(supplementary color imetro standard system)を勧告した. XYZ系からX10 Y10 Z10系への変換は実験に基づいた変換表を用いる.

電算機ソフトではCYMK, HSB, Lab表色系が多用されている. HSB系は色相(hue)彩度(saturation)明度(brightness)の理解容易な指数を採用している. これらはRGBを出発点とし, 色覚の数値代表よりも近似再生を目的として極端に単純化されており, 実情に合わない場合がある. HSB系のHS円形ダイヤグラムやLab系のa-b直交ダイヤグラムにはx-y色度図類似の機能がある. CYMK系はカラープリンター出力に重要であるが, 本論とはあまり関係がない.

上記の表色系はいずれも色覚が非線型であることを考慮していない. 即ち, x-y, H-S, a-b色度図上の二点間の距離は感覚的な色差を比例代表せず, 心理的に均等ではない. CIEは1976年にL*a*b*及びL*u*v*の心理表色系(psychometric lightness system)を勧告した. 後者は完成度が高いがまだ理想と隔たりがあり, 均等色度図の理論体系は未だ完成統一に至っていない. RGB系から他の表色系への変換数式については, 大田(1997)を参照されたい.

本論が目的とする装飾石材の色調定量測定および数値表示は, X10 Y10 Z10系や均等色度図に拠らなくとも実現可能である. 物理定義されたXYZ系は色彩光学の出発点であり, x-y色度図は基本図といえる. 他方, HSB系は極端な単純化のために複雑な不均等性があるが, 測定結果の意味が理解しやすいので便利な表色系といえる.

造岩鉱物の分析値をx, y およびHSBで表示したところ, B値を除いてRGB系より小い分散を示した (Table 2). また, 各値のヒストグラムが滑らかで, とりわけx, y, H値のグラフの形状がガウス曲線に近い. 色相を示すHSB系のH値は, とりわけ均一である. 最も測定容易なItuのアルカリ長石は, H値の標準偏差が600DPIスキャン時に全領域の1% (150DPIで0.4%)である (Fig. 5A). 最も測定困難であるBahiaのソーダライトはH値が不均一で(Fig. 5B), 標準偏差は全領域の4.3% (150DPIで3.3%)に達した.

Fig. 5. Examples of mineral surface reflection color histogram in RGB, HSB, x-y systems: (A) red alkaline feldspar of Itu, granite, with low color dispersion; (B) blue syenite of the Bahia, sodalite syenite, with high color dispersion. Each parameter of the RGB system is expressed in 256 steps. The H parameter of the HSB system takes integer value in 360 steps, and the S and B parameters, in 100 steps. The x and y parameters theoretically can take continuous value from 0 to 1.0.

高色彩で有名な「花崗岩」石材五種の色彩を特徴付ける鉱物色の測定値をx-yおよび HS色度図へ投影した(Fig. 4B). 細かい差異はあるものの投影点の相対的な位置は類似しているので, 両図には共通した意味があることがわかる. これらの投影点は灰色(HS円の中心)に近い意外なほど小さな領域に集中しており, 人工物と比べると鉱物はかなり色彩に乏しい(S値が低い)ことがわかる. 強烈な赤さで有名なItuのアルカリ長石でもS値は23.3に過ぎない. 直射日光下では, 人間の目は造岩鉱物の微弱な色彩でも高感度かつ高精度で心理知覚できるので, 岩石鉱物の色彩が一見強く感じられるのであろう.

アルカリ長石, ネフェリン, ソーダライトの表面反射色が微小領域で不均一なもう一つ理由として, 変質による鉱物粒自体の不均一性がある. Bragのアルカリ長石には, 赤色の濃淡がまだらになっている様子が600DPI画像で観察される. Bahiaのソーダライトはネフェリンが塩素を含む流体の交代作用で生成されたため, 600DPI画像でソーダライトとネフェリンが交錯する産状が観察される. 薄片観察では, Mesquitaのネフェリンがナトロライトやカンクリナイトに部分変質し, 未変質のネフェリンと複雑に交錯している.

スキャナーの分解能を落とすと, これらによる色調分散が平均化効果によって減少する. 解像度を600DPIから150DPIまで落とした場合, XYZ系のx値y値の標準偏差が40%位低下し, HSB系のH値とS値はそれぞれ60%, 20%低下する. しかし, 解像度をこれ以上落としても余り効果がない. おそらく, 微細構造や含有物など, 色調不均一を発生させる要素の大部分はこのサイズ以下であろう. 以上から, 解像度を150DPIに設定すれば実用的である.

V. 全岩色の実用的な評価法

装飾石材の全岩色調は品質管理の点で重要である. しかし, 全岩色調は単鉱物と比べさらに微弱で(灰色に近い)分散が大きく(色相が一定しない),色調測定やその表示がより困難である. 岩石中には色調の異なる鉱物が混在するので, 粒度の粗い花崗岩類や片麻岩類ではヒストグラムに複数のピークが表れる. 従って, 広範囲を測定しないと石材の代表的色彩が測定できない. それらを考慮し, スキャナー解像度に最も粗い75DPIが採用された. 赤色花崗岩Ituは全岩でも最も測定容易で, S値 (彩度) が15.1と高く, H値(色相)がよく収斂しその標準偏差が全領域の0.9%と低い(Table 3; Fig. 6A). しかし, アルカリ長石単独の場合と比べ, 色調分散が大きく, ヒストグラムの凹凸が大きい. 他方, 黒色系準装飾材のSol (Fig. 1E)はS値が1.6と非常に低く, H値が極めて不均一である. (Fig. 6B). このように色彩の性格が異なる各種岩石を同一基準で評定するには無理がある. そこで筆者らは石材を色調の性格によって数種に分類し, 各グループ毎に最適な色調評定基準を模索した.

Fig. 6. Examples of whole-rock surface reflection color histogram in the RGB, HSB, x-y systems: (A) Itu, red granite, with low color dispersion; (B) Sol, black welded tuff, with high color dispersion.

測定された全岩色を, S値を横軸とし, H値の標準偏差を縦軸とした直交グラフに投影すると, 負の相関が観察される(Fig. 7A). これは, 彩度の低い石材の色相が不均一であることを意味するので, このような石材の色調評定にはH値の意味は小さい. この考えに基づき, S値が4.0未満の石材を「灰色石材」(grayscale rocks)と一括し, B値(brightness)を用いて明度評定を試みた(Fig. 7B).

Fig. 7. Comparison diagram of (A) standard deviation of Hue vs. Saturation and (B) Brightness vs. Saturation for whole rock color of all of the analyzed ornamental and semi-ornamental rocks. The 1s ellipsoid is not expressed on this diagram because of high color heterogeneity. The H parameter (hue) takes integer value in 360 steps, and the S and B parameters (saturation and brightness), in 100 steps.

黒色高級装飾石材である石英閃緑岩Tijucaは, 主成分である斜長石に僅かな黒さ(薄片では無色)がある. 黒色(B=21.8)でありながら珪長質なので, ガブロに比べて風化に強く, 研磨後は黒光りが数十年保たれる(Fig. 1C). 準装飾黒色石材であるSol (Fig. 1E)は超高度溶結火砕流堆積物のcooling unitの基底部で採掘されている. この岩石はガラス質で黒曜石の一種とされ, 非常に黒いが (B=17.6)研磨しても黒光りが出ない. 黒色と通称されているTijuda, Sol, Rastro1の測定値に基づき, B値が25未満の灰色石材を「黒色石材」(black rocks)と分類すれば妥当であろう. 火砕流のcooling unit中部, 上部ではPrata3のような明度のより高い(B=46.1)石材が採取されている. 高級スレートとされる灰色粘板岩のSlateは, 明度が中間的で(B=42.3)で, 彩度が非常に低い(S=1.8). このグループは後述の灰色花崗岩類と比べ有意に暗いので, B値が25以上55未満の灰色石材を「暗灰色石材」(dark gray rocks)と分類すれば便利である.

灰色ネフェリン閃長岩Asは灰色花崗岩Andorinhaとほぼ同じ明度であるが(B=62.4, 63.4), のっぺりした刺激的でない灰色に感じられ, 目あたりが柔らかい. これは石英や黒雲母の強い反射がないためと推定される. 稲田花崗岩(Fig. 7に 二重円で表示)はこれらよりやや明るく(B=71.3), 石英は存在するが目あたりが柔らかい(Fig. 8). 灰色花崗岩B値の標準偏差を調べたところ, Andorinhaではs=22.2と高いが, Asではs=15.1, Inadaではs=12.4と低くなっており, 全岩での明度の分散が小さければ目あたりが柔らかく, すなわち刺激的でない灰色に感じられることが示唆される. 灰色花崗岩と通称されている石材の多くはB値が60から75であるので, B値が55以上85未満の灰色石材を「明灰色石材」(light gray rocks)とすれば現実的であろう.

Fig. 8. Comparative surface views of three grayscale granitic rocks: (A) “Granito Cinza Andorinha” (Andorinha), a monzogranite of heterogeneous brightness; (B) “Granito Cinza As de Paus” (As), a nepheline syenite of relatively homogeneous brightness; (C) “Inada Granite” (Inada), a leucoclatic monzogranite.

白色系大理石Cintilanteは明度が非常に高く(B=92.1), 白さが均一である(s=3.0). 白色大理石と通称される石材の多くはB値が85以上であり, 少しくらいの色彩があっても白さのほうが目立つ. そのため, B値が85以上を灰色石材とB値が90以上でS値が6.0未満の石材を「白色石材」と呼べば妥当であろう.

このように, 灰色系石材にはB値による明度評定が有効であるため, B値を主な色調評定指数と設定することが推薦される. B値の標準偏差は, 目当たりの柔らかさを表現する二次的な指数になりうる.

Fig 9. Whole rock chromaticity diagram of (A) x-y system and (B) HS circular system for low- color, middle-color, and high-color ornamental and semi-ornamental rocks: “Granito Vermelho Itu” (Itu), red granite; “Granito Vermelho Braganca” (Brag), red granite; “Granito Marrom Caldas” (Caldas), brown alkali syenite; “Granito Mesquita” (Mesquita), brown nepheline syenite; “Marmore Bege Bahia” (Bege), yellow marble; “Marmore Aurora Perora” (Aurora), yellow marble; “Marmore Rosa Cachoeiro” (Cachoeiro), pink marble. In spite of a grayscale rock, “Granito Azul Bahia” (Bahia), blue sodalite syenite, is added due to its characteristic blue color. The 1s ellipsoid is not expressed on this diagram because of high color heterogeneity.

他方, S値が6.0より高い石材はH値がよく収斂しており, 有色石材として高名なものが多い. 市場評価を参考にこれらを三種にわけ, S値が6.0以上8.0未満を低色彩石材 (low-color rocks), 8.0以上10.0未満を中色彩石材(middle-color rocks), 10.0以上を高色彩石材(high-color rocks)とすれば便利であろう. 赤色花崗岩のBrag (S=16.0)やItu (S=15.1)は高色彩石材の代表格である. これらの石材の色調評定には測定値をx-yまたはH-S色図上に投影し(Fig. 9), H値を主な色調評定指数, S値を二次的な評定指数とする方法が適切であろう. H値によって赤色系のCachoeiro(H=17.0°), Itu (H=19.3°), Brag (H=19.7°), 橙色系のCaldas (H=21.5°), Prata2 (H=29.3°), Mesquita (H=30.0°), 黄色系のBege (H=40.5°), Aurora (H=50.0°)などに分類できる. H値の上昇に伴って色相は赤, 橙, 黄と変化するので, 赤色系と橙色系の境界をH=20°, 橙色系と黄色系の境界をH=40°に設定すれば実用的であろう. 色彩の強い岩石は大部分深成岩類 (Itu, Caldas, Brag, Mesquita)あるいは大理石(Cachoeiro, Bege, Aurora)であるが, Prata2は風化で黄色くなった溶結凝灰岩である. 赤色花崗岩の多くは原生代末期の汎アフリカ大陸衝突時の貫入で, 岩脈状の小岩体として産する. 野外では赤, 桃色, 灰色など, いろいろな程度の赤さの花崗岩が存在するが, 濃赤色のものはごく僅かである. 微量の石英を含む褐色閃長岩も汎アフリカ大陸衝突時の貫入で, 超高圧変成帯(Parkinson et al, 2001)の背弧側に位置する. 装飾花崗岩には大陸衝突と関係するものが多い. 赤色, 褐色両者ともアルカリ長石の色の原因はまだ解明されていない.

高価な青色石材であるソーダライト閃長岩Bahia (H=288.7°) は高色彩石材に分類されると期待されたが, S値は意外に低く(全岩3.1), 灰色石材に分類される(Fig. 7および 9に 四角で表示). 岩石中に灰色のアルカリ長石や黒色の角閃石が多く, サンプルによっては緑簾石も含まれる. またソーダライト自体もネフェリン, カンクリナイト, ナトロライトを含み, 青色が淡くなるために, S値(単鉱物8.8)が赤色花崗岩のアルカリ長石(単鉱物23.2)と比べてかなり低い. この岩体は原生代中期の大陸分裂時にネフェリン閃長岩として貫入し, 原生代末期の汎アフリカ造山運動時に大陸衝突で変成された直後, 交代作用で一部がソーダライト閃長岩に変化した. そのため岩相が不均一で採掘が難しく, 露頭規模で灰色のネフェリン閃長岩から青色のソーダライト閃長岩への漸移が観察できる. この石材の青さには産地や石切り場内部での採掘場所によって大きな差異があり, 色彩で価格が大きく変化する. 彩度からは灰色石材と分類されても, この場合に限りS値を主な指数に設定して, 青さを彩度で評定するのが適切であろう. 濃緑色のチャーノッカイトはさらにS値が低く同じく灰色石材に分類されるが, 同じ理由でS値による彩度評定が推薦される.

S値が4.0から6.0までの石材は「微色彩石材」(slight-color rocks)と分類される. このグループには装飾石材である淡桃色カリ長石花崗岩や準装飾石材である超高度溶結凝灰岩が含まれ複雑であり, グループ全体を一基準のみで評定することが難しい. 淡桃色花崗岩Campoは淡い肌色の色彩で(H=32.6, S=5.4), 有色石材との境界線上にある. 色モザイクの壁面に使用される超高度溶結凝灰岩は灰色 (B=45位) を基調とし, 直射日光下の肉眼観察ではかすかな色彩が感じられる. しかし, 蛍光灯照明下では色相が正しく認識できず, 日光下で黄, 桃, 紫の色彩を示す岩石サンプルは全て淡い肌色に感じられた. これらの岩石の測定値はいずれもHが35°位の橙色から黄色であり, S値が 3.0位で低く, 人工照明下の肉眼観察と一致する. このようなごく微弱な色調を測定するには, 直射日光を用いた測定法を開発する必要がある.

以上のように, 本論では石材をS値によって灰色(S<4.0), 微色彩(4.0<S<6.0), 低色彩(6.0<S<8.0), 中色彩(8.0<S<10.0), 高色彩(S>10.0)に分類した. そのうち灰色石材はB値によって黒色(B<25), 暗灰色(25<B<55), 明灰色(55<B<85), 白色(B>85)に, 色彩の強い石材はH値によって赤色(0<H<20), 橙色(20<H<40), 黄色(40<H<60)に分類した. これらの分類は 装飾石材市場の一般的な色彩評価に沿うよう便宜上かつ経験的に提案されたものであり, 厳密に適用する意味はない. 青色系と緑色系の色彩分類には, 更なる実験考察が必要である.

VI. 結論

以上の試行錯誤実験により, 著者らは以下の経験的結論に達した。

1) 汎用スキャナー, 事務用パソコン, 市販グラフィックソフト, 独自ソフトWilburを用いて, 装飾石材全体や造岩鉱物の表面反射色の定量測定, 定量表示が可能である.

2) 最適なスキャナーの解像度は, 造岩鉱物用として150DPI, 全岩用として75DPIである.

3) 造岩鉱物や装飾石材全岩の色彩は人工物や動植物と比べて微弱であり, 適切な表色系の選択が大切である. RGB表色系は乱反射の影響を強く受けるために不適切である.

4) 鉱物の色調表示にはXYZ系のx-y直交色度図, HS円系色度図およびH値, S値が適切である. 全岩色の表示にはHSB系が有効である.

5) 石材は, 全岩色のS値を基準に高色彩石材(high-color rocks, S>10.0), 中色彩石材(middle-color rocks, 8.0<S<10.0), 低色彩石材(low-color rocks, 6.0<S<8.0), 微色彩石材(slight-color rocks, 4.0<S<6.0), 灰色石材(grayscale rocks, S<4.0)に分類することを提案する.

6) 灰色石材はB値による明度評定が有効で, 黒色岩(black rocks, B<25), 暗灰色岩(dark gray rocks, 25<B<55), 明灰色岩(light gray rocks, 55<B<85), 白色岩(white rocks, B>85)の四種に分類することを提案する. 明灰色花崗岩類のB値の標準偏差は, 目あたりの硬さを表す指数に使用すれば便利である.

7) 高色, 中色, 低色石材にはH値による色相評定が有効であり, 赤色系(0<H<20), 橙色系(20<H<40), 黄色系(40<H<60)などに分類される.

8) ソーダライト閃長岩とチャーノッカイトはS値が低く灰色石材に分類されるが, 青色や緑色の彩度が石材価格に強く反映されるので, S値による彩度評定が妥当である.

謝辞

色調定量測定の技術開発の問題点について, 東京工業大学の中嶋悟氏に御意見をいただいた. 同じく, 東京工業大学の国広卓也氏(1999年当時)にはWilburの発想に関するを助言をいただいた. また, スキャナーの詳細と色パラメーターに関してアイメジャー有限会社の一ノ瀬修一氏に有益な助言をいただいた. 著者一同深く感謝する.

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