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6.輸出上の問題点

 以上のようにブラジルの装飾用石材, とりわけ「有色花崗岩類」は質量共に豊富で有力な輸出資源となりうるが, 現実には必ずしも成功していない. その原因は自然条件, 政治問題, 採掘技術, 加工技術と多様である.  自然条件で最大の問題点は風化変色を利用した石材である. Granito Ouro Velhoに代表される黄色「花崗岩」は丸いブロックの表面風化層だけが採掘対象になるので, 埋蔵量が少ない上に品質にむらがある. また, Granito Azul Bahiaに代表される交代作用による石材は新鮮な露頭でも色が不均一である. ソーダライトの多い青い石材は高価であるがネフェリンの多い灰色の石材は安価であるので, 切り出した岩石の20%未満しか搬出せずに残りを現場に遺棄する採石場もある.熱水変質の変色を利用した石材にも同様の問題がある。このような石材は大量採掘加工が困難で工業的に不適当である.  主な政治問題は環境保護を目的とする採掘禁止令である. 海外でも有名なGranito Preto Tijucaは全面禁止となり,市場価格が暴騰した. 近年禁止令多発のため大都市近郊の採石場は壊滅状態に陥り, 小規模な無許可採掘業者が潤っている. これでは安定供給が望めず, 輸出も困難になる.  原始的な採掘方法も問題である. 高級花崗岩の切り出し現場の多くは零細企業で, 鏨と黒色火薬を用いてブロックを割り出している.採掘者は露出ブロックを取り尽くすと, 露頭採掘までは行わずにその地域を放棄する. ブロックは風化のために石質が不均一になりがちで, 品質に安定性がない. 他方, 資本のある採掘会社は低価格の灰色花崗岩を大量に採掘している. かつてブラジルは技術鎖国の状態であったが, 1990年以後の貿易政策変更によって先進技術の輸入が可能になった. 最近ではダイヤモンド・ワイヤーを用いて露頭から石材を掘り出す会社も現れ, 問題改善の方向に向かいつつある.  最大の問題点は石材加工技術である. それも, カット, 研磨, 面取りと多岐にわたる. カット石材の寸法や厚さの不均一が甚だしく, 海外の建築現場で拒否される場合がある. 表面加工も仕上げが粗く,面取りをやらずに市場に出す会社もある. ブラジル国内ではそれでも商品となるが輸出用になればそうもいかず, Granito Vermelho Ituなどの赤色花崗岩は韓国やインドの類似商品との競争で苦戦を強いられている. 未加工ブロックならば輸出できるが, それでは利益が上がらない. Minas Gerais州南部のドロマイト質の良質白色大理石が未加工ブロックで輸出され, イタリアで加工されてCahara大理石の一部として世界に売られている. 残念ながら国内の石材加工業者は海外市場をなかなか理解できず, 生産増大のための量的な投資は行うが競争力拡大のための質的な投資に興味を示さない. この問題が解決されればブラジルの装飾用花崗岩の輸出は伸びると期待される.





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ブラジルの装飾用石材